e-no 沖縄自然館

ムーチーの日

国際通りに一歩出れば、半袖姿の観光らしき人たちがアイスクリームを食べている...
この光景だけを見るとさすが南国・沖縄!と思われるかもしれませんが
今日はムーチーの日です!

旧暦の12月8日、ムーチーの日は一年で最も寒くなると言われており
そのこと沖縄の言葉で『ムーチービーサ』といいます。
でも、今年はそんなに寒くないかも?
いつもなら朝から「やっぱりムーチービーサだね」のフレーズが社内で飛び交っていますが
今日はまだ一度も聞いていません。

「ムーチー」とはお餅のことです。
お餅が月桃の葉で包まれています。
月桃は、「邪気払いの草木」とされており、
ムーチーは健康祈願の行事としてずっと親しまれています。
シーミー、旧盆と並んで、代表的な沖縄の旧暦行事ではないでしょうか。

出勤すると、先輩からムーチーをもらいました。
朝礼でもムーチーの話、お客さんとのお電話でもムーチーの話。



週末に市場へ行くと、月桃の葉が売られていたので
もうすぐムーチーの日だなぁ!と気づかされ
今日の市場はどうなっているか、お昼休みに足を伸ばしてみると
お弁当屋さん、お惣菜屋さん、ここにもあそこにも、ムーチー発見!







お餅の専門店では、昨日からムーチーを買える個数が制限されていました。



いつも行くパーラーに寄ると、「あなたムーチー食べる?」

「ムーチー好きです!」と言うと、

「あら本当〜 独特の香りが嫌いな人もいるからさ」

ということで、パーラーでムーチーをいただき、今日は2つゲット!
ハロウィンで各家を回る子どもの気分です。
机の上にムーチーが2つ。
仕事のかたわら月桃の香りがほのかに漂っています、天然アロマです。

独特の香りが苦手、という人もいますが
月桃の香りは沖縄ではとても人気だと思います(特に女性にかな?)
ショウガ科の月桃は、防虫のためにと、タンスの引き出しに葉を入れておいたり
食後に月桃茶を飲むと口臭予防にもなるなど、とても重宝されてきた薬草なのです。
もはや沖縄人のアイデンティティに近い存在にすら感じます。



お昼休みのあと会社に戻ると、「すご〜い!つくったの〜!」
「⚪︎⚪︎さんハチムーチーだはず〜」と、ムーチの話題。

子どもが生まれて初めてのムーチーの日は、「初(ハチ)ムーチー」というわけです。
親戚やご近所にお餅をくばり、赤ちゃんの健康祈願を行います。

子どもの年の数だけ紐で結んだお餅がすだれのように軒下に吊るされている様子も昔はよく見られたそうです。「毎日学校から帰ったら、ひとつずつ抜き取って食べてたね〜」と、懐かしそうに先輩が話してくれました。「葉っぱをあけないと、どの味かわからないのもワクワクだった」とか。黒糖味だと茶色、紅芋だと紫、とかいくつかお餅に種類があるんです。市場ではお餅を結ぶ紐を色分けしたり、葉っぱに色違いでシールを貼ったりして、わかるようにされています。



いまハマッている民話の本を開いてみると、
やっぱりあります、「鬼餅」のお話。
ムーチーの起源ということになるのでしょうか、
鬼になってしまった兄を、妹が退治することになり
妹は鬼の好物であるムーチーを持参し崖の上で食べるよう誘った。
兄のお餅には石がつめられていて、かたくて食べることができない、
妹はなぜかパクパク食べている......(妹のお餅は普通のやわらかいお餅)
そのあと、妹はまさかの方法で鬼を驚かせ崖から転落させ退治した、というお話。

それが旧暦の12月8日だったということから
邪気払い、健康祈願のムーチーの行事がはじまったと伝えられています。

”まさかの方法”については、いろいろな理由でここでは割愛させていただきますが、『旧暦と暮らす沖縄』(白井明大 氏 著/講談社)に「鬼餅」のお話について興味深い考察が書かれていましたので、オススメです。さらに、鬼退治の崖は、首里金城町にあり、その崖の下は御嶽になっているということをこの本で知りました。



金城町とは、石畳でも有名なところで、私も何度か足を運んだことがありますが
ここがムーチーゆかりの場所とは知りませんでした。

民話と行事と土地(御嶽)と...
ムーチーが、時空を超えて私のなかの沖縄をつないでいます。




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